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光学設計エンジニアのための
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2023.03.22
より良いレンズを設計するために
光学レンズの開発・設計にあたっては、当然ながらまずは要求される光学特性を満足するような光学設計を行う必要があります。しかし、光学レンズをどのように製品に組み込むのか、あるいはどうやって光学レンズを安定した量産を行い、歩留まりよく製造するのかを考慮した製品設計も同時に進めていかないと、コストが高くなるばかりか製品化できないといった事にも繋がります。ここでは、光学レンズ開発・設計にあたってどのようなポイントを押さえて進めていくべきか、大きな流れを解説して参ります。
ポイント①:光学レンズに求められるスペックを明確化する
まず第一段階としては、光学レンズに求められるスペック(光学特性やレンズのサイズ・形状)を明確にする必要があります。下記にて例示いたします。
①光学レンズに求める仕様(焦点距離、F値 等)
(実際に求める仕様では実現できないケースもあるので、当社ではお客様からご要望をヒアリングして、仕様を決定)
②レンズの特性(収差、解像度 等)
なおこの①・②は、単独ではなく同時並行で進めていく必要があります。なぜなら、設計しているレンズ形状での成形可否、光学レンズの成形時・組立時の歩留まりも考慮しないと製品として成り立たないからです。
ポイント②:そのスペックが製造で実現できるか検証する
次に、その光学レンズに求められるスペックが、実際の製造において実現できるかどうかを検証します。光学レンズの製造においてはどうしてもばらつきが発生するため、特性を満足するために公差計算(面精度・偏心精度・レンズ厚さ精度等。組レンズの場合は、レンズを組んだ状態にて)を行い検証します。さらに成形時・組立時の歩留まりも考慮して、本当にその形状で最適かどうかを検証し直したりするケースもあります。
求めるスペックの光学レンズを開発・設計するためには、設計・製造双方をよく検討しすり合わせることが重要ですが、見落としがちなのが取付形状です。つまり光学レンズはレンズ単体で使用されることは無く、筐体など何らかの部品に取り付けられるため、フランジやつばなどを材料に応じて設計する必要があります。また、ガラスレンズの場合はレンズのみで問題ありませんが、当社が扱うような成形による光学レンズはキズがつくので必ずつかみ代やツバなどを付ける必要があります。
このように、求めるスペックの光学レンズを入手しようとした場合には検討項目が多岐に渡るので、光学設計はもちろんのこと、光学レンズの製造工程・組立も熟知し、それらを製品設計に反映させることが求められます。そのため光学設計専門の会社では製品立ち上げまで時間がかかってしまう可能性もあります。
光学レンズ設計.comを運営するジュラロン工業(株)の特徴
その点、光学レンズ設計.comを運営するジュラロン工業株式会社では、光学レンズの金型製作・成形から組立まで一貫して対応しているため、それぞれの工程で発生する誤差の傾向を把握しながら光学設計を行うなど、生産性を考慮した光学設計を行うことが可能です。さらに、回折限界まで収差を補正した非球面単レンズの対物レンズやコリメータレンズの設計、所望の照度分布を実現するための単レンズの設計に加え、また複数枚のレンズで構成された照明光学系の設計、複数の非球面レンズで構成された小型撮像光学系の設計等、単レンズから、鏡筒含めたレンズユニットの設計まで実績があります。単レンズからレンズユニットまで設計が可能ですので、光学レンズの開発設計でお困りの場合はお気軽にご相談ください。
なお、お客様から提示された光学レンズの要求スペックに対して、当社がご提案した事例を多数掲載しておりますので、ご興味のある方は設計の参考になさってください。
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