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光学設計エンジニアのための
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2024.09.17
製品設計に着目したレンズ設計における注意点
レンズ設計は、光学設計と製品設計に大別することが可能です。これらの領域は相互に関連します。そのため、製品設計の内容によって、光学設計に制約が発生します。そのため、光学設計を考慮した上で、製品設計を行うことが重要です。当記事では製品設計に着目し、レンズ設計における注意点をご紹介します。
製品設計に着目したレンズ設計における注意点
注意点①:ゲートのサイズ・位置
樹脂の流入口であるゲートのサイズ・位置を考慮することが重要です。例えば、「ゲートの位置がレンズ面に近いと、レンズが歪む、レンズ面へウェルドが発生する…」「ゲートのサイズが小さいと、レンズ面の形状精度が悪くなる…」などの不具合が発生します。このような不具合を防ぐために、ゲートの位置・サイズをしっかりと考慮して設計を行う必要があります。
注意点②:レンズ駒(コアピン)の径
レンズコア(コアピン)の径にも、注意を払う必要があります。レンズ面の外周部は、精度確保が難しいです。そのため、レンズ設計においてはレンズの有効径よりもレンズの外径・コアピンの径をやや大きめに設定することが大事です。
注意点③:パーティングラインの位置
パーティングラインとは、金型の”合わせ目”を指します。このパーティグラインは、離型のバランスを考慮して設ける必要があります。また、パーティングラインが相手部品との嵌合部にあると、レンズの組付け時、品質に影響を与えることがあります。そのため、パーティングラインは然るべき位置に設定するよう調整することが重要です。
注意点④:ミスマッチをつける
成形を行う際に、双方(固定側、可動側)の金型がずれてしまうと、パーティングラインに段差が生じます。すると、径方向の寸法が想定よりも大きくなってしまいます。なので、ずれても問題がないように、片側の金型を意図的に小さく設定しておく(=ミスマッチをつける)ことで、ずれが生じても寸法が大きくなることを防止します。
注意点⑤:製品の突出し位置
成形したレンズを金型から取り出すためには、エジェクタピンによる押し出しが必要です。光学レンズの設計時には、このエジェクタピンの位置が考慮されていないと、レンズ面に歪が発生する恐れがあります。そのため、エジェクタピンによる突き出し位置も考慮した上で設計を行う必要があります。
まとめ
光学レンズ設計.comを運営するジュラロン工業株式会社では、光学レンズの金型製作・成形から組立まで一貫して対応しています。それぞれの工程で発生する誤差の傾向を把握しながら光学設計・製品設計を行うことが可能です。
単レンズからレンズユニットまで設計が可能ですので、光学レンズの開発設計でお困りの場合はお気軽にご相談ください。
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