2025.06.19

光学レンズ設計の基礎:光学プリズムの役割と種類

光学レンズ設計は、カメラ、望遠鏡、医療機器など、現代社会に不可欠な様々な光学システムを支える重要な技術です。その中でも、光学プリズムは光の進路を効果的に制御し、システムの性能を向上させる上で欠かせない要素です。当記事では、光学レンズ設計の基礎として、光学プリズムがどのような役割を果たすのか、そしてどのような種類があるのかを分かりやすく解説します。

光学プリズムの役割

光学プリズムは、光の屈折や反射といった現象を利用して、光路を曲げたり、分散させたり、あるいは像を反転させたりする役割を担っています。具体的には、以下のような目的で用いられます。

光路の変換・折り曲げ

限られたスペース内で光を効率的に伝送するために、光路を屈折により任意の方向に曲げます。これにより、システムの小型化や複雑な光学配置が可能になります。

像の正立・反転

レンズによって倒立した像を正立させたり、左右を反転させたりすることで、自然な像を見られるようにします。双眼鏡や一眼レフカメラのファインダーなどに利用されています。

光の分散

波長によって屈折率が異なるプリズム材料の性質を利用し、波長(色)ごとに光路を分離します。分光分析や特定の波長の光を取り出すために利用されます。

光学プリズムの種類

光学プリズムは、その機能や形状によって様々な種類に分類されます。ここでは、代表的な3つの種類について詳しく見ていきましょう。

反射プリズム

反射プリズムは、主に光の反射を利用して光路を変換したり、像を正立させたりするプリズムです。プリズム内部での全反射や、誘電体多層膜による反射を利用します。

  • 直角プリズム: 最も一般的な反射プリズムで、光を90度曲げるために用いられます。
  • ポロプリズム: 像を正立させる役割があり、双眼鏡などによく用いられます。
  • ダハプリズム: 屋根(ダハ)のような形状を持ち、光を効率的に反射させて像を正立・反転させます。コンパクトな光学機器に利用されます。

分光プリズム

分光プリズムは、光の波長によって屈折率が異なる現象(分散)を利用して、光をそのスペクトルに分離するプリズムです。

偏角プリズム

偏角プリズムは、光を特定の角度に偏向させることを目的としたプリズムです。

光学設計のことなら、光学レンズ設計.comにご相談ください

いかがでしたでしょうか。今回は、光学プリズムの役割と種類についてご紹介しました。

光学レンズ設計.comを運営するジュラロン工業株式会社では、光学レンズの設計はもちろん、金型製作・成形から組立まで一貫して対応しています。この一貫対応体制により、それぞれの工程で発生する誤差の傾向を把握しながら光学設計を行うなど、光学的な機能のみならず、生産性までもを考慮した光学設計を行うことが可能です。

単レンズからレンズユニットまで設計が可能ですので、光学レンズの開発設計でお困りの場合はお気軽にご相談ください。

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