2026.01.27

光学設計の基礎:ゴースト・フレアの発生メカニズムと対策

高性能な光学機器を設計する上で、「収差の補正」と並んで重要になるのが迷光の制御です。その迷光により、画質に大きな影響を与えるものが「ゴースト」「フレア」と呼ばれる現象です。

本記事では、このゴースト・フレアに焦点を当て、その発生メカニズムと具体的な対策について、光学設計の基礎として解説します。

ゴースト・フレアの発生メカニズム

太陽などの非常に明るい点光源が画面内または画面外にある場合に、本来の光源とは異なる位置に、光源の形を保った「円形等のパターン」として現れるものをゴースト、全体的にカブリやモヤが発生するものをフレアと呼ばれます。

ゴースト・フレアの主な原因は、レンズ群を構成するレンズ面での多重反射です。

  1. 1回目の反射: レンズに入射した光の一部が、あるレンズ面(例えば、2枚目のレンズの表面)で反射します。
  2. 2回目の反射: 1回目の反射光が、別のレンズ面(例えば、1枚目のレンズ)に戻り、そこで再度反射します。
  3. 偽像の結像: このような繰り返しで複数回反射した光は、本来の光路とは大きく異なる経路をたどり、最終的にセンサーや結像面に到達します。この迷光が、本来の像とは異なる位置に結像するゴーストやフレアを引き起こし、画質を低下させます。

ゴースト・フレアへの対策

対策①:高性能な反射防止コーティング(ARコーティング)

最も容易なゴースト・フレア対策の手法としては、多層膜コーティング(Multi-Coating)が挙げられます。

レンズ表面に、屈折率の異なる複数の誘電体薄膜を、サブミクロン単位の厚さで積層させます。これにより、各層で反射した光同士が干渉し合い、互いに打ち消し合う効果(干渉による反射低減)を利用して、特定波長域や入射角度における光の反射率を劇的に下げます。

対策②:レンズ形状の変更

反射光の発生自体は避けられないため、光学設計によって、反射光の光路を意図的に制御する施策も有効です。このレンズの形状変更には、照明解析の一環であるゴーストシミュレーションが用いられるケースもあります。レンズモデルに光線を入射し、その透過や反射の挙動を追跡することで、ゴーストの発生位置や強度を評価します。

具体的には、2回反射した光が像面の外に逃げるように、または像面に到達してもぼけるようにレンズの形状や配置を調整します。これにより、反射光がゴーストとして撮影画像上に現れるのを防ぎます。

光学設計なら、光学レンズ設計.comまで

いかがでしたでしょうか。今回は、光学設計におけるゴーストについてご紹介しました。

光学レンズ設計.comを運営するジュラロン工業株式会社では、光学レンズの設計はもちろん、金型製作・成形から組立まで一貫して対応しています。この一貫対応体制により、それぞれの工程で発生する誤差の傾向を把握しながら光学設計を行うなど、光学的な機能のみならず、生産性までもを考慮した光学設計を行うことが可能です。

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