2026.04.14

光学設計の2つの柱:幾何光学と波動光学

光学設計は、カメラや照明から最先端のFA機器に至るまで、私たちの身の回りにある様々な製品や技術を支える根幹的な技術です。この記事では、その中でも特に基本となる「幾何光学」と「波動光学」という2つのアプローチに焦点を当て、光学設計の世界を解き明かしていきます。

そもそも光学設計とは?

光学設計とは、レンズや鏡などを組み合わせて光学系を構築し、特定の目的を達成するための技術です。この技術では、レンズの形状、厚み、間隔、材質、絞りの位置や大きさなどの設計要素を最適化して、目標とする機能を実現します。

>>光学設計の基礎:様々な光学系とその役割

光学設計の2つの柱:幾何光学と波動光学

光学設計は、光をどのように捉えるかによって、主に「幾何光学」と「波動光学」の2つの理論に大別されます。

幾何光学:光を「線」として捉える

幾何光学は、光を直進する「光線」として単純化して扱うアプローチです。 光がレンズや鏡などの光学素子と相互作用する際の挙動は、以下の2つのシンプルな法則に基づいています。

  • 反射の法則: 入射角と反射角は等しくなる。
  • 屈折の法則(スネルの法則): 光が異なる媒質(例:空気からガラス)へ進む際に、その境界面で進行方向が変わる。

このアプローチは、レンズの焦点距離や収差(像のぼやけや歪み)の計算など、基本的なレンズ設計において非常に有効です。多くの光学系はこの手法にて設計がなされます。ちなみに、照明光学系の評価には、幾何光学的シミュレーションが用いられます。

波動光学:光を「波」として捉える

一方、波動光学は、光を電磁波という「波」として捉える、より物理学的な現実に即したアプローチです。 幾何光学では説明できない、以下のような光の波動性に起因する現象を扱います。

  • 回折: 光が障害物の背後に回り込む現象。
  • 干渉: 複数の光の波が重なり合い、強め合ったり弱め合ったりする現象。
  • 偏光: 光の振動方向が特定の方向に揃う現象。

>>光学設計の基礎:干渉と回折の違い

導波路やメタレンズでは、波動光学理論に基づいて設計がなされます。カメラ・レンズの設計段階では、この波動光学理論に基づいたシミュレーションによる光学系の性能評価が行われます。

光学設計なら、光学レンズ設計.comまで

本記事では、光学設計の根幹をなす「幾何光学」と「波動光学」の違いと、それぞれの役割について解説しました。幾何光学は光を「線」として捉え、レンズ設計の基本的な骨格を作るのに役立ちます。一方、波動光学は光を「波」として捉え、回折や干渉といったより複雑な現象を扱うことで、設計の精度を極限まで高めます。

普段何気なく使っているカメラやスマートフォンの裏側には、これら2つの理論を巧みに使い分けることで達成された、高度な光学設計技術が隠されています。 この記事が、奥深い光学設計の世界への第一歩となれば幸いです。

光学レンズ設計.comを運営するジュラロン工業株式会社では、光学レンズの設計はもちろん、金型製作・成形から組立まで一貫して対応しています。この一貫対応体制により、それぞれの工程で発生する誤差の傾向を把握しながら光学設計を行うなど、光学的な機能のみならず、生産性までもを考慮した光学設計を行うことが可能です。

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